南川朝陽くんに、幸せになってほしい
今期のダークホースがミュークルドリーミーであることはもはや議論の余地はないが、その登場人物である南川朝陽くんが幼馴染の日向ゆめちゃんとくっつくかどうかについては、まだ結論を出せていない諸君もいることだろう。
そこで今回は数年にわたり結論の出ないこの難問に、僭越ながら終止符を打たせていただこうと思う。ちなみに当方、重度のカップリング厨(とくに幼馴染は大好物)であるからして、その点承知されたい。
問題1 圧倒的ライバル・杉山遼仁
あろうことか朝陽くんが気になっているそのゆめちゃんは、生徒会長でテニス部部長の杉山先輩にぞっこんなのである。
ふざけるなそんなことしてると朝陽くんは俺がもらっちゃうぞ
しかしその先輩の隣には、いつもなにやら美人な女性が。そう彼女こそ沢村百合―コアなファンからは親しみを込めて”書道部の女”と呼ばれている
おそらく二人は付き合っているのだろうと考えられてきたが、なんと第7話で二人はただの幼馴染だということが明かされる。ひどい、ひどすぎる!スタッフは朝陽くんに一体なんの恨みがあるんだ、、、
しかもよくよく考えてみると、この二人が付き合っていないという事実は、やはり幼馴染同士は恋愛関係にはならないんだということを示唆しているとも取れる。見事なダブルパンチが急所を抉る、もうやめて!朝陽くんのライフはゼロよ!
問題2 ゆめちゃんちの飼い犬・きゅうちゃん
彗星のごとくストーリーに絡んできた最終兵器犬。
まさか1話からゆめちゃんと(飼い主とペット的な意味で)ラブラブだっただけのあの家畜ごときが、ヒト様の体を手に入れた上にゆめちゃんと(人と人的な意味で)ラブラブデートをするとは。あまつさえ思わせぶりな告白でゆめちゃんをたじたじさせ、ゆめちゃんの初めて(語弊有)まで奪ってしまうという暴挙。当然のように朝陽くんは人間不信になった
問題3 なによりゆめちゃん自身が
一番悲しいのはこれ。ゆめちゃんは、これでもかというくらい朝陽くんを意識していないのである。体感では1話に3回くらいフラグと朝陽くんの心をへし折っている
8話の林間学校でも、わかばちゃんが朝陽くんのことを好きだと勘違いして二人がくっつくように仕向けたり(嫉妬心の欠片も見せない)、幼馴染に恋人ができるのはどんな気持ちかと聞かれて「朝陽とわかばだったら大歓迎!私も応援する!」などと口走っている(嫉妬心の欠片も見せない)。きゅうちゃんよりも意識されてなくて草ァ!というワードがツイッターのトレンド一位を獲得したのは記憶に新しい(新しくない)
…とまぁこんな感じでボコボコのオーバーキル状態の朝陽くん、フラグを折られるたびにこっちまで悲しくなっちゃうよ。きっとその負けヒロイン力は過去のどのヒロインよりも高いね
しかーし!重度のカップリング厨はこんなことで諦めない。重度のカップリング厨の底力を見せてあげよう
反論1 ゆめちゃんの勘違い
ゆめちゃんは本当に杉山先輩が好きなのだろうか?答えは否、圧倒的否。それはもう否すぎていないいないばあの様相を呈している
たしかにゆめちゃんは、先輩を見るたび顔を赤らめ、先輩と話すたびにヒロインにあるまじき顔芸をし、およそ日本語とは思えぬ口調で喋り出す。これは一般によく知られた恋する人間の症状だ
しかしあえて、あえて私は「それは恋愛感情じゃないよ」と言いたい。ゆめちゃんは、自分が先輩を好きだと勘違いしているだけなのだ
・恋したいお年頃♡︎
いわゆる恋に恋するってやつ。ゆめちゃんは中学1年生、まさに異性が気になり出すちょうどその時期である。そのタイミングで年上の超絶イケメンが現れたら誰だって気になってしまうだろう。俺だって中一のときに杉山先輩に出逢っていたらどうなっていたか分からない
・周囲の囃し立て
思い出してほしいのだが、ゆめちゃんは最初のころ、まいらちゃんに冷やかされても「もう、そんなんじゃないって~!」と返していたのだ。それがいつの間にか言わなくなり、そのまま受け入れるようになってしまった。
これは、周囲にあれこれ言われ続けるといつの間にか本当にそうなのかも?と思ってしまうよくあるやつである。あのアニメつまんなかったねと言われるとたしかにつまんなかったような気がしてしまうアレである
以上の二つの点から、ゆめちゃんが先輩に抱く感情が錯覚であることは明らかである。いまはまだそのことに気づかないけれど、最終話までにはきっと気づいて、本当に大事な存在はもっと近くにいたんだ…となること請け合いである(舌なめずり)
反論2 ゆめちゃんにとっての"幼馴染"
杉山先輩と書道部の女が恋人でもなんでもないただの幼馴染だと明かされたことは、たしかに一見すると朝陽くんの負けフラグのように見える。しかしその考えはあまりにも浅はかだ。そこはかとなく浅はか
これはおそらくネタバレになるが、先輩と書道部の女はやっぱりくっつくのである。いつになるかは分からないが、必ずくっつく。そしてゆめちゃんは気づく、幼馴染でも、恋愛って成り立つんだ…と。
これまでのゆめちゃんを見ていると、幼馴染は幼馴染であり、それ以上でも以下でもない。友達以上だけど、決して恋愛対象にはならないーそんな考えを持っているように見える。その固定観念をぶち壊すために用意されたのが、杉山先輩というキャラクターなのだ。断じてゆめちゃんといい感じになるためではない。わかったか遼仁調子に乗るなよ遼仁
反論3 ゆめちゃんは押しに弱い
擬人化きゅうちゃんの思わせ告白で顔を赤らめるゆめちゃん。
これは決して朝陽くんを地獄の底に突き落とすための演出ではない。むしろ真逆である
ゆめちゃんは、飼い犬というどうあがいても恋愛対象ではないものに告白されてもちょっとドキッとしてしまうのだ。つまりゆめちゃんは押しに弱い。この意味がわかるか朝陽。わかるな朝陽!よし行け!あの夕日に向かって走れ!そして叫べ!!お前の気持ちを!!!!
反論4 どうして朝陽の夢の中にわたしが?
第7話、満を持して朝陽くんの夢に入ったゆめちゃんは、浜辺で踊り狂う自身の姿を目撃する。
この時はなぜ自分がいるのか理解できなかったようだが、わざわざこんなおいしい伏線をばらまいたなら回収するしかないじゃないか!
第※話、ついに朝陽くんがゆめちゃんに告白をする。犬の告白にすらドギマギするゆめちゃん、いわんや幼馴染をや。しかしそれでもどこか信じられず、「またまた~!なんのドッキリ?」と返すゆめちゃんに対し、「本気なんだ!」。彼の真剣なまなざしを見てゆめちゃんは思い出す、そういえばいつか朝陽の夢に入ったとき、私がいたな…あれってもしかして……おっと失礼鼻血が
反論5 そもそもテニスの試合の時さぁ・・・
同じく第7話、テニス回である。このときゆめちゃんは、(まいらちゃんとことこ先輩に半強制的に連れていかれたとはいえ)杉山先輩を差し置いて朝陽くんの試合を見に行くのだ。これもう結論でしょ。これが答え!はい閉廷!
反論6 実は最初っから朝陽くんの独壇場
きっと皆さんこのアニメに慣れきっておりお忘れだろうから改めて指摘しておくと、朝陽くんは最初からとんでもなく優遇されているのだ
・窓を開ければあの子が
こんなベタベタな設定を描く作品、他にないでしょう。ベタすぎてむしろ新しい。こんな素敵な設定にしたのは当然、彼もまた特別な存在だからです。ヴェルタースオリジナル
・エンディングでの華々しい活躍
手前の可愛い3人に見とれて8割の人は朝陽くんに気づかないと話題のエンディング。彼が何をしているのかといえば、歌うでも踊るでもなくただひたすらに応援しているだけなのである。…え?応援?ど、どういうことだ……一体何が起こってやがる……わけがわからねぇ…だが……
だ が そ れ が い い
そこには杉山先輩もきゅうちゃんもおらず、まさに朝陽くんの独壇場である。
こんなに優遇されている朝陽くんが負けヒロインのわけないだろ常識的に考えてくれ
反論7 なにより幼馴染だし
まあ結局これが一番なんですけどね。だって幼馴染だし。幼馴染って、そういうものでしょ?過去に付き合わない幼馴染がいましたか?いませんよね。もしいたとすればそれは幼馴染ではなかっただけのことです。それは幼馴染ではなくただの幼い頃からなぜかやたらと顔をあわせたり会話をすることが多かっただけの人の形をした何かですその辺の虫ケラと変わらん
幼馴染だから付き合う。付き合ったら幼馴染。これがこの世界のたった1つの真実なんだ、とよく父も言っていました。
幼馴染は結ばれて当然、そのために生まれてきたまである。そしてそんな二人を見届けるために俺は生まれてきたまである(なにいってんだこいつ?
というわけで、朝陽くんにどうしても幸せになってほしいオタクの長駄文でした。ここまで読んでくれた人は多分高確率でイケメン。
では、朝陽くんの幸せをねがって