エロゲ初心者が『ニュートンと林檎の樹』をやってみた

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2017年に発売された本作品の感想を、2020年の今になって書いているのはきっと自分だけではないはず。

なぜならこのコロナ騒ぎに乗じて(?)、メーカーが100円セールを行っていたからだ(すでに終了済)。

 

こういうアダルトゲームを真面目にプレイするのは初めてなのだが、とってもいい作品だったので感想をここに認めておこうと思った次第。

 

なお、ネタバレしまくりなのでご注意あれ・・・。

 

 

あらすじ

主人公・修二は、幼馴染の四五とともになんやかんやで17世紀のイギリスにタイムスリップしてしまう。その先で出会ったのは金髪貧乳ロリツインテール美少女――もといアイザック・ニュートンであった(当然のことだが18歳以上)。

ニュートンが林檎の落下を目撃するのを妨害してしまった修二達は、なんとか元の世界線に戻すために東奔西走する……というお話。詳しくは公式サイトを見てちょうだい。

ニュートンと林檎の樹 Laplacian 2nd Project/story

 

 

ヒロイン

・一二三四五(うたかねよつこ)

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修二の幼馴染。ふざけた名前の通り、なんでも測定しないと気が済まない性分。頭はめちゃくちゃいいが固すぎる面も。毒舌。

 

四五ルートでは、タイムマシンとか世界線とかそういう難しいことは全部ほっぽり出して、二人で未来へ逃避行してしまう。…こう書くとすごく適当に見えるけど実際はもっといろいろあった上での結末なのでそこまで酷くはないですが。

いつもお固い印象の四五が思い切って告白するシーンはドキッとする(上の画像)。そしてこのシーンまでは分岐がないので、どのルートを取っても四五は自分の気持ちを伝えられたことになっている。ある意味一番幸せなキャラなのかもしれない。

しかし一度だけラビに向かって「朝永くんの竿なり穴なりを慰めるのは、どうぞご勝手に」と言う場面があったが、いくら毒舌キャラでもこれは言いすぎじゃない?あなたに嫉妬心はないの?まぁまだ自分の気持ちに気づいていなかった説もあるが。いや気づいていなかったとしても好きは好きだったんだからどこかで本能がストップをかけてほしいものだが。。。

 

・ラビ・ジエール

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作中一悲劇のヒロイン。作中一ぶっとんだ性格でもある。神出鬼没で何を考えているのか分からない、尻穴大好きミステリアスガール。

 

ラビルートはいろんな意味で苦しい。過去に母親といろいろあったラビのためにあれこれしているうちにニュートンの方がなおざりになってしまい、もはや世界線の修復は不可能となってしまう。最後はラビに眠らされて、気づいたら過去に戻されているという話。例によってすごく端折っているけど本当はもっといい話なので悪しからず。

自分のために体を張ってくれた修二のために今度は自分が犠牲になろうとする姿はもはやヒロインを超えて主人公。しかしどうあがいても救いがないバッドエンド。選んだ選択肢によってはこのルートが一番最初になってしまうので、いきなり後味が悪くメシマズである。

タイムスリップというテーマを最も活用したルートだと思う。しかし作品の構成上、この先誰とくっついてもそれはラビの犠牲の上に成り立っているということになってしまい、非常に重たいキャラクター。ラビというキャラクターが気に入らない人はこの部分でマイナス評価になってしまうかも。

 

 ・九十九春(つくもはる)

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 日本人留学生で、専門は天文。アリス(ニュートン)の親友だが胸の大きさは対極的。お姉さんキャラ。日本への憧れが強く、修二や四五に強い興味を示す。

 

本作を進める中でほ~と思ったのは、「当時の女性はまだまだ差別の対象だった」というのをふんだんに取り込んでいた点。アリスがなぜ偽名を使っているのか、またアリスや春といった天才がなぜ世に出られないか、すべてこれで説明がついてしまう。

しかし一方で春はニュートンの存在を毛嫌いしており(男のくせになんで姿を見せないんだ!私たちは出たくても出られないのに!)、アリスも自分がニュートンであるとなかなか言い出せず、こじれた関係になっているという状態。非常によくできた設定だ。春はとっても重要なポジションなのである。

しかし春のルートは最も平和と言えるだろう。偽名の一件をなんとか乗り越え、修二とくっついて、イチャコラデートを繰り返すだけの甘々展開。あんなにこじれていたあれやこれやもまるでなかったかのよう。まあ他のルートが重めなのでここでバランスを取っているのかもしれないが。あと春は作中最も胸が大きいので、大きな胸が好きな人はそれだけで満足かもしれない。

 

・エミー・フェルトン

大学と寮で働くイモメイド。イモメイドである。

実はアリスと並々ならぬ関係だったりするがそれが明かされるのはかなり後。アリスが思いつくはずだった万有引力を思いついてしまい、ラビの件とニュートン偽名の件が落ち着いたところに容赦なく新たな爆弾をぶち込む爆弾魔(ボマー)。しかも最後にはうっかりタイムマシンまで発明しちゃったりするとかしないとか。真の天才はお前だったか。

エミールートでは、お前自身がニュートンになることだ…とばかりに役割を投げつけられ、プリンキピアを執筆することに。そしてどこでそうなったのかまるで分らないが修二といい感じになる(ほんとになんで?)。まあエミーはサブキャラ的な扱いらしいので(本編への関わり方的にはどう見てもサブではないが)、ある程度の適当さは仕方ないのかもしれない。あと可愛いしね。可愛いから許すよ。可愛いは正義だからね。

 

・アリス・ベッドフォード

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 みんな大好き金髪ツインテロリ。実はアイザック・ニュートンその人。かわいい。かわいすぎる。んぎゃわいいいいいいいいよおおおいやああああああ(自主規制)

 

おそらくほとんどの人がアリスのルートを最後にプレイしたと思う。自分もそう。

そしてきっと誰しも気づくことだろう。「どのルートも結局元の世界に戻れてなくね?」と。そして次に貴様はこうも思ったはずだ、「だったらこのアリスルートだけがちゃんと元の世界に戻るんだろうな」と。それはつまり、アリスとの別れを意味する…。

アリスルートでは、その期待を裏切らず、修二は未来に帰ることを決意してしまう。エミールートではエミーと一緒にいることを選んだはずなのに、なぜかアリスとは別れることを決意するのだ。

でもそれこそが本来の正しい姿だと思うんすよね。タイムスリップして歴史を変えちゃったんだから、きちんと歴史修正をしてきちんと自分の世界に帰る。それこそが修二たちの取りうる唯一の正解で。タイムスリップした先で美少女に出逢ったからって、そんなことにうつつを抜かしてちゃダメなんです。だからアリスとちゃんと分かれることを決めた修二は立派に主人公だよ。お前すげぇよ…。

アリスと両想いになってからが本当に辛い。いつか絶対に来る別れをひしひしと感じる。

修二が「アリスたちがプリンキピアを書き上げたら俺たちは帰るよ」とかいうもんだから、アリスは「本はあと数日で完成する。…あたしは手を止めないぞ」と返すんだけど。

 

・・・。

エッモ!!!

エモすぎィ!!!

ここの会話一番好き!!

 

そのあともアリスは「書くのをやめろとは言わないのか…?」「お前が書くなと言えばあたしは…」と言うんですけどね。ああもうやめてくれ!!これ以上言うな!!!エモみが爆発して人の形を保てなくなるから!!

はぁ~~健気かよ。かわいいかよ。かわいいかよおおおお!!!

でも、修二はあくまで帰るの一点張りなんですね。立派だ修二…。もう心は立派な非童貞だな(?)

最後までアリスは食い下がるが、結局お別れ。修二達は無事に元の世界に帰るんだけど、果たしてこれが本当にハッピーエンドなのか…。修二は未来でアリスの存在を確認できるけど、アリスからしたらほんとにただ別れただけ。。ひどいぞ修二。そんなんだからいつまでも童貞なんだ。

普通に結構落ち込んだワシ←

 

☆強くてコンティニュー

アリスルートが終わると、右下に謎のボタンが出現し、そこからアリスルートの続きが楽しめる。正直最初は男爵さんとのホモォ…ルートかと思ったが、さすがにそこまで酷くはなかった(よかった)。

 散々注意書きのある通り、本編のいろんなものを無視してアリスとイチャコラするルートである。 でもいいじゃん。それがいいじゃん。これこそ俺たちが求めていたものじゃん。そうだろ?そうだるぉ?紛れもないハッピーエンドだぜ!よかった。君がいてくれて本当によかった。ありがとうLaplacian。

 

総評

実はいわゆるノベルゲームは苦手だったのだが、なぜか本作はどんどんプレイしてしまった。作品の魅力のおかげなのか自分の内面が変わったからなのかは分からないが。。

 

・ストーリー

全体通してつつけばボロが出まくりそうな感じだが、そこはご愛嬌。あまり考えずにプレイするのが吉である。

ただ一つだけ言いたいのは、どうしてこのキャラは修二を好きになったのか?という視点が抜けがちな点。

ラビやアリスは、修二のおかげでおかげでお母さんと話せたり春やエミーと仲直りできたりしているので、まあ分かる。四五も幼馴染なのでまあいいでしょう。しかし春とエミーは、どこで修二に惚れたのか一ミリも分からない。「エロゲだから当然そうなる」んだろうけど、それに甘んじないでほしいというのが本音。もっとキャラの細かい心理描写があればもっと感情移入できたのになぁと思います。

 

・ギャグ

ギャグは面白い。本当に。公式サイトに開発者コラムがあるが、緒乃ワサビさんの文体がそのままゲーム内の文である。これを読んで笑える人はきっと作品も好きになるでしょう。

ニュートンと林檎の樹 Laplacian 2nd Project/column

 

・挿入ムービー

挿入ムービーと言ってもいやらしい意味ではなく、文字通りムービーが挿入されているだけである。全ヒロインに一本ずつ存在し、シナリオの途中で唐突に始まる。最初は戸惑ったが、だんだん病みつきに。四五とラビとアリスのがお気に入りです。

 

・キャラ

文句なしにかわいい。とくに貧乳キャラが好きなのでアリスにはぞっこんである。声も最初は舌足らずで狙いすぎでは?と思ったが、気づけば日中にあの声が脳内再生される有り様。アリス…すき…

 

・システム面

初心者にも優しい作りだったと思う。一度選んだ選択肢の色が変わるし、この選択肢を選べばこのルートだろうな…と想像できるものばかりだったので非常にやりやすかった。スキップとかセーブ/ロードも分かりやすい。ただ、カーソルが勝手に移動するやつは結構慣れなくてストレスだった。あと誤字脱字が多い。

 

まとめ

いやなんかこう、エロゲを見る目が変わりましたね。思ったより悪いもんじゃないなと。Laplacianが100円セールやってなかったら一生この感覚は生まれなかっただろうなぁ。

ただ、やっぱりこの分岐システムには慣れないですね。つまり、なんでこの短期間でコロッと別のヒロインとイチャコラしてるんだこいつは?という気持ちになっちゃう。アリスとだけ結ばれたらそれで満足なのに、みたいな。ピュアなんです私は。

なので、たしかにこの作品は面白かったけど、またエロゲを買うかと聞かれたら答えは?です。ぶっちゃけ可能性は低い。でももし買うことがあればLaplacianさんの別作品が最有力候補でしょうね。

ところで全然話は変わるが、実は「アリス」という名前に個人的に強いこだわりがありまして、以前から「アリスという名前のキャラは全員可愛い説」を提唱しているんだけれども、この作品のおかげでこの説はさらに有力になりました。どうもありがとうございました。

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すべてのアリスはかわいい

 


思ったより長文になってしまった。

初心者なりに頑張って書いてみましたがいかがでしたでしょうか。

駄文失礼しました。